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すてきなバンドマン

by SUSU Ikkyu Nakajima

私は人一倍バンドマンに対する憧れが凄い。
凄すぎて凄すぎて、なんとその勢いで
実力もセンスも何もないところから
必死にメンバーを集め
ついには自らバンドマンになってしまっていた。
そもそも、バンドマンになるなんて
バンドマンに異常なほどの憧れがないと
なかなかないと思う。
もちろんあんなかっこいいギター弾きたい
あんなたくさんの人の前で歌いたい
モテたい 自慢したい 冬でも袖のない服が着たい
髪の毛変な色にしたい ヒモになりたい
旅がしたい
憧れる部分は人それぞれ。
そしてあたかも自然発生したかのように
毎日どこからともなく
バンドマンは製造されていく。
憧れに身を任せている。
せっかくバンドマンになった私は
常に理想のバンドマンとして日々を生きている。
それは技術的にも、立ち位置的にも
今が理想ですよ、満足してますよ
という意味ではなく
1日1日を理想通りに歩んでいく
私の想像上のバンドマンを真似しながら。
例えば私の思うバンドマンは
どんなミスをライブでしてしまっても
かっこいいライブをした裏で
メンバーに謝ったりしない。
「ごめんあそこミスっちゃった!!」
とか言わない。
たくさんのサポートメンバーを経てきて
当たり前にみんなミスる。
どんなに上手くても
はじめから完璧な人なんて見たことない。
ドラムは特にフレーズだけ覚えればいいわけじゃない
もっと大事なものを担ってるから。
そしてミスったら、たいてい謝る。
けどこちら的には、ミスゼロのライブなんて
はなから全く期待していない
なんなら何百回と同じ曲を演奏してきたメンバーですら全くミスってない完璧なライブ、まず、した記憶がない。
この人とのライブを
どんな事が起こるのか楽しみにしているのみ
だから、ミスが何?って思うし、
そもそもそれってミスなの?
むしろ逆にライブとして成功なんじゃないの?
誰かにとっては奇跡だったんじゃないの?
ちゃんと最後まで自分のこと、ライブとして見てた?
それに
誰かのミスくらいで私たちのライブはクソになんてならない。
私たちの曲達は、今このメンバーにしか演奏してもらえない。
だから曲のことを思って演奏するべき。
メンバーのことを思って演奏するなんて、変じゃないか。
だから謝られても違和感しかない。
その違和感とは
やっぱり、メンバーじゃないんだな、ということ。形式的な話ではなく
なんとなく、精神的な意味でもなく
とても音楽的な意味で。
メンバーがライブの内容に関してなにか謝ってるの、聞いたことないし。
ただ謝り方に種類があって、これが結構違って
本気で謝られた場合、これが違和感。
先ほど述べた疑問に当てはまる。
「ごめん」が入らなければそれだけで良いんだと思う。
あそこミスった、何がおかしかったんだろうか
だからどうしたい。
そんなふうに次回のことを考えてる
過去の反省ではない。
ただの反省ならいらない。
自分が納得いかないライブしたとしても
誰かに懺悔して慰めてもらおうなんて
そんな茶番な作業はいらない
次のことを考えてたい。
理想のバンドマンに近づきたい。
バンドマンは思ってるよりずっと、
もっともっと今を生きてない
明後日らへんを生きてる
だからみんな追いかける。
じゃないとみんながバンドマンになりたがるはずがない。
昔見たバンドマンはきっと
本当にすごかったんだ。


SUSU Ikkyu Nakajima
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